【CLARKS】「誰も見たことのないワラビー」SEVEN BY SEVENが出した答え

1825年創業のイギリス最古のシューメーカー「CLARKS ORIGINALS(クラークス オリジナルズ)」。
このCLARKSはファッションシーンだけでなく、これまで様々なカルチャーのアイコン的存在として親しまれてきた背景を持ちます。

1979年公開『さらば青春の光』
VESPAに跨りミリタリーコートの足元にCLARKSを合わせる主人公ジミーのスタイルはモッズスタイルのお手本。

OASIS(オアシス)ボーカル
リアム・ギャラガー
再結成・来日公演も発表されて今最もホットな人物。
個人的にも彼のスタイルはとても好きで今もよく参考にしています。

the verve(ザ・ヴァーヴ)1997年発表の3枚目のアルバム「アーバン・ヒムス」より
リチャード・アシュクロフト(左から二番目)
普段着にさりげなく合わせているワラビー。この自然な履きこなしがかっこいい

また、ニューヨークではヒップホップカルチャーともかなり親和性が高く、特に世界的なラッパーであるNAS(ナズ)が愛用していることでも知られており、彼監修のコラボモデルが発売されるほど。
日本でも近年若者を中心としたストリートスタイルにCLARKSのワラビーを合わせるのが定番化しています。

今も昔も世界中のカルチャーに根差し、溶け込んでいるクラシカルなシューズメーカーは世界中見てもCLARKSくらいじゃないかと思うほど稀有なブランドだと思います。

今シーズンSEVEN BY SEVEN(セブン バイ セブン)で展開されたのはクラシカルな雰囲気とモカシン製法によって、独特の包み込まれるような感覚が特徴的なCLARKSを代表するモデルのワラビー。古着をルーツに持ち、常識や固定概念にとらわれない作品を世に送り出してきた同ブランドが目指したのは「どこかで見たものではない、いままで見たことのないワラビー」。
本来の良さを損ねることなく、誰も見たことのないものを創造するのは並大抵のことではできません。それを可能にしたのは知識と経験はもちろんのこと、そのモノに対するリスペクトの気持ちがあるからこそ。SEVEN BY SEVENが辿り着いた答えは特殊な顔料を用いた独自のカスタマイズでした。

ベロアのような起毛感

今回用いたのは、粉末状の特殊な顔料。それを製品に吹き付け、さらに放電させて密着させることで完成する特殊なフロッキー加工を施しています。パウダー状の顔料を吹き付けて定着させた本体は、まるでベロアのような起毛感を備えているのが特徴です。ワラビーの持つクラシカルなテイストはそのまま活かしつつ、品の良さと高級感をプラスした、まさに「見たことのないワラビー」が完成したのです。
初めてこれを見た時、通常のワラビーにはない妖艶さに思わず見惚れてしまったのを覚えています(笑)。
古い本にしばしばみられる装丁でカバー をベルベット調にする技法がありますが、それを再現しているそうです。

写真中央あたりの赤い本のようなイメージ。僕自身もアンティークショップ等でベルベット調の本は見掛けたことはありますが、そこからこうした発想が思い付くのが素晴らしいです。

シューレースも同じ質感のものを採用することで統一感が生まれる

ボディの質感に合わせてシューレースも起毛感のあるものを採用しています。ヴィンテージの趣を感じさせながら、どこかコンテンポラリーな趣も感じる。このハイブリッドさがたまりません。

お馴染みのクレープソールもメタモルフォーゼ

ボディに加工が施された靴は他にもあるかもしれませんが、ソールにまで手を加えるものは少ないはず。今回は、ワラビーのアイコニックなディテールであるクレープソールにまでスプレーをしています。出自からもわかるようにブリティッシュカントリーを体現するような靴であるCLARKSですが、ドレスシューズのような品の良さも加わることで新たな世界観が表現されたようにも感じられます。コーディネートの広がりも生まれ、色んなスタイルに合わせてみたくなリます。

スウェード素材かと思いきや、そうじゃない。実はピグメントスプレーで加工している。
オーセンティックなようで新しい。
それこそが今回SEVEN BY SEVENが目指した「誰も見たことのないワラビー」。

ベースとなったワラビーの色は黒。それをここまで可憐で美しい色に仕上げるのは単に繊維素材をスプレーで吹き付けるだけでは不可能です。熟練の職人が特殊な加工技法を駆使しながら作るからこそ生まれる、いわば芸術品のようなもの。

枠にとらわれず、それぞれのスタイルで履きこみながら経年変化を楽しんでもらいたいです。

SEVEN BY SEVEN
PIGMENT SPRAYING SHOES‐Wallabee‐
¥41,800-

目次