サンフランシスコという記憶を纏う。|SEVEN BY SEVEN – SAN FRANCISCO COLLAGE

グラフィックTや柄ショーツを、最近はスタイルを語る手段として選ぶ人が増えてきたように思う。

本当にスタイルを持つ服には、語りかける力がある。
都市の空気を、風景を、そして文化を。
SEVEN BY SEVENが今季放つ「SAN FRANCISCO COLLAGE」は、まさにそんなシリーズだ。

舞台はアメリカ西海岸の街、サンフランシスコ。
その7マイル×7マイルのスケール感を、服というメディアに写し取ったコレクションである。

ITEM DETAIL

PRINTED SOUVENIR TEE – SAN FRANCISCO COLLAGE

サンフランシスコの象徴的なモチーフを大胆にコラージュした一枚。
ケーブルカー、ブリッジ、街のサインや建築物が交差しながらも、白と黒のモノトーンが全体を引き締めている。
遠目にはアートワークのように映り、近づけば街の細部が語り出す。

プリントは、すべて国内の職人による手刷り。
網点での陰影表現、機械作業では決して出せない面構え。
その完成度は、まるで一点もののアートピースのようだ。

スタイリングは、あえて引き算。
シンプルにまとめることで、グラフィックの奥行きが際立つ。構えすぎず、自然体で。

PRINTED SOUVENIR SWEAT SHORTS – SAN FRANCISCO COLLAGE

同じグラフィックを用いたスウェットショーツは、シリーズの魅力をさらに引き出す存在。
柔らかい素材に、力強いビジュアルが重なることで、リラックスと緊張感のバランスが生まれている。

柄の配置も計算されていて、動きに応じて景色が現れたり、隠れたりするのが面白い。
手刷りによる仕上げはTシャツと同様で、クラフトとしての厚みをしっかり感じられる。

トップスは無地で控えめにしても、セットアップであえて揃えても、それぞれに魅力がある。
派手ではなく、強さを感じさせる佇まいだ。

都市を着るという、新しい選択肢

このTシャツとショーツに描かれているのは、ただの観光地ではない。
その街が持つ空気や記憶までもが、グラフィックを通して語られている。

実際に訪れたことがなくても、なぜか懐かしい。
そんな気持ちにさせてくれる服は、そう多くはない。

SEVEN BY SEVENの「SAN FRANCISCO COLLAGE」は、都市と記憶、そして服の関係を更新するシリーズ。
これは、ただ着るだけの服じゃない。纏うという感覚を、もう一度思い出させてくれる。



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